二番目でいいなんて、本当は嘘。
――思い出した。

私はあの日の夜、傷ついて、つらくて、ひとりで祖父の店でお酒を飲んでいた。
そこに現れたのが桐生社長だった。

桐生社長は長い時間、私の愚痴に付き合ってくれた。
なにかを諭すわけでもなく、ただ黙って私の話を聞いてくれた。


ひとりぼっちは淋しい。
悲しいことを、全部忘れたい。
誰かのぬくもりが欲しい。

私がそう言うと、桐生社長は「わかりました」と言って、自分のマンションに私を連れていったのだ。

そして、くたくたになるまで私を抱いた。
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