二番目でいいなんて、本当は嘘。
でも、答えを教えてあげる前に、薫さんの気持ちを確かめておかなくてはならない。


「薫さんは、子供の親権だけ欲しいってことですか?」

「違います。僕はあなたごと欲しい」

「子供ができたから、責任をとりたいってことですか?」

「……ああ、だから!」


薫さんは体を起こし、正面から私に向き合った。

「怖いんですよ、あなたの本心を聞くのが。最後にあなたは、僕を愛していないと言った。また拒絶されるんじゃないかと思って、今も怖いんです」

「もう、薫さんは、なんにもわかってない」

あまりにも薫さんが情けない顔をしていたので、私は思わず吹き出しそうになった。
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