二番目でいいなんて、本当は嘘。
それから薫さんは、両親に私のことをすっかり打ち明けたそうだ。

2番目でいいと言われたこと。
それを真に受けて、結婚はできないけれど、恋人のまま大事にしますと言ったこと。
そしたら、逃げられてしまったこと。


「両親に怒られました。とくに、母に。女性は大切なものを守るためなら、平気で嘘をつくものだって」

薫さんは体を前にかがめ、口づけるように私のお腹に顔をうずめた。

「でも僕は、未央さんの言ったことの、なにが嘘で、どこまでが本当だったのかまだわからないんです。僕のことを好きだと言ったのも、ただ単に子供が欲しいからだったのかとか……」

私は呆れた。
この期に及んで、まだなんにもわかっていないのだ、薫さんは。
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