二番目でいいなんて、本当は嘘。
* * *

オフィスビルを出ると、外は雨だった。
窓にはブラインドがかかっているし、オフィス内は防音になっているため、雨に気が付かなかった。

「どうしよう……」

傘は持っていない。
近くのコンビニまで走って、ビニール傘を買おうか。


そう考えていたとき、スマートフォンが震えた。

――桐生薫

着信画面には、そう表示されている。

その名前を見て、ドキリとした。
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