二番目でいいなんて、本当は嘘。
そのとき、玄関のチャイムがピンポンと小さく鳴った。

「……はあい」

祖父が亡くなってから来客はめっきり減ったが、お隣さんはいつも律儀に回覧板を直に届けてくれる。
いつもの癖で、私は相手を確認せずに「はい」と言って引き戸を開けてしまった。


「こんばんは」

そこに立っていたのは、桐生社長だった。
仕事帰りなのだろう。
スーツを着、その手にはビジネスバッグと紙袋が提げられている。
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