2570 ー男子高校生とOLー
トースターを数分でぺろりと平らげた俺に、彼女は机に肘をついて覗き込むように尋ねた
「どう?お腹いっぱいになった?」
「うん」
「よかった」
俺のお腹がいっぱいになっただけで
なんでこの人が嬉しそうに笑うのかわからない
それよりも
罪悪感が俺を包み込んだ
「ごめんなさい」
「え」
「お金とか、ない。全部食べちゃってごめんなさい」
彼女は驚いたように目を瞬かせてから、切なそうに笑う
俺のぼさぼさの髪を撫でるように
優しくそっと触ってくれた
「優しいんだね。食べることはごめんなさいじゃないよ。ありがとうって言ってね」
「......ありがとう」
「うん」
「また来ていい?」
「もちろんいいよ」
この日から俺は、毎日夜になると隣の201号室にお邪魔してご飯を貰うようになった