2570 ー男子高校生とOLー
「じゃあお母さんもいないことだしー、今日はちょっとイケナイコトしちゃいますか~」
「いけないことをしていいの?」
「そう、今日はいいの」
早苗さんはニヤッと笑うと、カバンを下して台所に向かう
「ご飯まだだよね?」
「うん」
俺が勢い良く頷くと、彼女はいつも通り食パンを2枚取り出す
そして冷蔵庫を開けると中から「じゃーん!」と、とあるものを出した
「今日はマーガリンじゃなくてこちら、バターを塗ります!」
「ばたー......」
「夕飯に食パンが頻発するウチもめちゃくちゃひもじいけどさ、バターを初めて聞いた単語の様に呟く君には負けるよね」
「負けた?」
「惨敗。食パンはほら、好きで食べてるのよ。安いしうまいし調理が要らないから。もやし炒めとかで、ちゃんと野菜もとってるしね」
言い訳をしながら早苗さんはトースターにパンをセットする
「バターはめちゃくちゃ高いけど、マーガリンよりもおいしいんだ」
「そうなの?」
「うん。お母さんにバレたらマズイことになるから隠密にね」
言われた通り、バターを塗った焼きたてのトーストは美味しかったけど
何よりも幸せだったのは「ちょっとした贅沢」や「いけないこと」を早苗さんと共有できたことだった