花言葉
「雪花ちゃんどこいったって?」

「…海外」

「えっ!?海外!?」



それからの俺は荒れに荒れた。

突然雪花がいなくなった悲しみと、黙って消えたことへの怒りで、心の中がぐちゃぐちゃだった。


そのぐちゃぐちゃの心をどうにかしたくて、毎日夜遅くまで繁華街の路地裏でケンカをした。

一通り人を殴ったあとに俺を襲うのは大きな虚無感。
まるで心の中に大きな穴があいたような…


(俺は…こんなに雪花のことが好きだったんだ。)


失って初めて知った。


部活にも入らず颯とも距離を置き、ケンカと女遊びに明け暮れた。

未来の見えない毎日にうんざりしていた。
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