幼なじみの甘い牙に差し押さえられました
「あなたはいつもそうね。子供みたいに独りよがりの正義感を振りかざして」
え…?
感違い違いしたのかなと思ったけど、ママはどう見ても私に怒ってるようだ。
「私はただママが心配で…」
「いいわ、あなたにはどうせ分からないもの。だいたい、いつの間にそんなはしたない格好をするようになったの。気持ち悪い」
ママを庇った背中に小さな水の音がして、ワンピースが肌に張り付いた。ひやりとする感触がそのままママの心の温度のよう。
「…待って!」
けれど、ママは鞄を掴んで席を立つなり走って行ってしまった。追いかけようとすると今度は逆に男に手首を掴まれる。
「行かないと…ママが、ママに謝らないと…」
「ママ、ママって、ガキじゃねーんだからよ。だいたい、その格好で走り回る気か?」
「うるさいな!それよりママに付きまとうの止めてよ」
「はっ、俺はマドカがしつこいから会ってやってるだけだ。金は前払い制でな。」
「何言ってるの…!?」
「わからねー奴だな。お前がさっき吠えてたのは事実無根なんだよ。名誉毀損で訴えてやろうか?」
手首を両方とも掴まれる。男の顔が近付くと、怖くて歯がカタカタと音を立てた。私はママを怒らせてまで何をしてるんだろう?これじゃ中学の時とまるで同じ…
「金が無いなら体で払っ
…痛って!」
黒い影が視界を横切って、次の瞬間には男が頭をふらつかせていた。
「何だお前!?」
「失礼、通り道だったもので」