Sign of Love
「ああなるほど。古いデータで全部上書きしないように、他のPCに古いデータ落とすってことか。へえ、すごいな、そんなことができるんだ。結構時間かかります?」

「一応移動中に、一時バックアップの高速記憶ができるように準備をしてきたので、全部終わるまでに一時間かからないと思います。……すみません、一台PCお借りしてもいいでしょうか」

「あ、わたしのPC使ってください。そこにあるやつです」
 一歩前に出てモニターを指すと、坂巻さんは軽く頭を下げた。

「ありがとうございます。終わったら全部元通りに直しますので、ちょっとここにパーテーション作らせてもらいますね」

 そこからは、課長も何かを話しかけたりはしなかった。わたしのPCでクラウドの管理者画面にアクセスし、システムをダウンさせる。

 坂巻さんは時々動作を確認しながら画面を切り替えて、PCがエラーを起こしたときに出てくるような真っ黒な画面に文字列を書いていく。英語と数字と記号の連続で、わたしにはそれが何かはわからない。
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