Sign of Love
「佐倉さんは次か。雨、まだ上がりそうにないな」
坂巻さんが窓の外をじっと見る。
このまま、帰ってしまっていいのだろうか。こうやって二人で話をする機会なんて、もうないかもしれないのに。俯くと、溜め息がこぼれ落ちそうになった。
「押し付けるみたいだけど、この傘持っていって。別に返さなくていいから。今日みたいに突然雨が降る日は、駅の売店でもほとんど売り切れだからさ」
「すみません」
今度は大人しく頷いて、傘を受け取った。扉が開くと、わたしと坂巻さんは人の流れに押し出されるように降車した。
「お疲れ様でした」
ホームで交わすお別れの定型文。もう一度電車に乗り込んだ坂巻さんが、微笑みかけてくれた。
月曜になればまた会える。でもきっとまた何も話せなくなってしまう。……今日のこの時間をなかったことになんてしたくない。
発車ベルが鳴り止む。わたしは閉まりかけたドアに飛びこんだ。挟まってしまった鞄を引っ張っていると、もう一度扉が開くから、今度は倒れそうになった。
坂巻さんが窓の外をじっと見る。
このまま、帰ってしまっていいのだろうか。こうやって二人で話をする機会なんて、もうないかもしれないのに。俯くと、溜め息がこぼれ落ちそうになった。
「押し付けるみたいだけど、この傘持っていって。別に返さなくていいから。今日みたいに突然雨が降る日は、駅の売店でもほとんど売り切れだからさ」
「すみません」
今度は大人しく頷いて、傘を受け取った。扉が開くと、わたしと坂巻さんは人の流れに押し出されるように降車した。
「お疲れ様でした」
ホームで交わすお別れの定型文。もう一度電車に乗り込んだ坂巻さんが、微笑みかけてくれた。
月曜になればまた会える。でもきっとまた何も話せなくなってしまう。……今日のこの時間をなかったことになんてしたくない。
発車ベルが鳴り止む。わたしは閉まりかけたドアに飛びこんだ。挟まってしまった鞄を引っ張っていると、もう一度扉が開くから、今度は倒れそうになった。