Sign of Love
 なぜか坂巻さんは、額に軽く手の甲を当てて、困ったようにわたしから目を逸らした。

 ずっと押し込めていた気持ちを急にぶつけて、驚かせてしまったのかもしれないけど、本心だった。しばらくして坂巻さんはおもむろに口を開いた。

「……僕があの時上手くやれなかったとしても、佐倉さんはね、辞めたいって言ったところで辞めさせてもらえなかったと思うよ」

「え? どうしてですか」

「あの時僕の無茶苦茶な提案にゴーサイン出したのは総務部長だったけど、佐倉さんのことを褒めてたから。『企画を成功させようとそれだけ一生懸命になれる社員は貴重だ』って。それは僕も同感だった」

「その時の総務部長って、もしかして」
「新井さん」

「うそお……」
 絶句すると、坂巻さんの口角に笑みが浮かんだ。
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