Sign of Love
「おはようございます」
涼しげな声がした。新井さんは坂巻さんに向き直る。

「おはよう。……あー、坂巻。この間話してたシステム統合の件で、午後一にちょっと時間取って欲しいんだけど」

「わかりました。トップダウンですが僕なりに一通り試算してみたので、資料出しておきます」
「うん、頼むよ。しかしさすがに仕事が早いな」

「以前から相談を受けていましたし」
新井さんは満足げに頷いた。

「じゃあ俺は会議の準備があるから行くわ。ふたりとも、またあとでな」

さも意味ありげな目配せを残して、新井さんはシステム課を出て行ってしまった。坂巻さんはなんだか不思議そうにしていたけれど「今日は早いんだね」と、こんな場所にいる理由を訊くでもなく鞄を置いて、ジャケットを椅子の背にかけた。

ふたりきりは嬉しいけれど、まだ全然慣れない。
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