Sign of Love
「実は、他のPCのファイルにアクセス出来なくなっちゃって。お願いできますか」
「ネットワークか。ちょっと借りるね」

 坂巻さんはそこにしゃがんで、すぐにネットワーク接続を確認する。わたしがあんなにやっても直せなかったのに、十秒もかからずにあっさりと回復した。

「はい、直ったよ」
「あの……、もうひとつ困ってることがあって」

「うん?」
 立ち上がりかけた坂巻さんがしゃがみ直した。わたしはこの優しい目がどうしても駄目で、目を逸らす。

「今朝、手書き書類を出力するためのマクロを作るのに、去年のデータを送ってもらったんですけど。でも、ちゃんと保存したはずなのに、反映されてなくて」

「んー、もしかして添付ファイル開いてそこでそのままデータいじったかな」
「……あ、そうかもしれません」
 そっか、一回PCにデータをダウンロードしてから編集しなきゃ駄目だったんだ。

「それ、僕もたまにやるんだよな。でも大丈夫、そのフォルダとは別にデータが他の場所に一時保存されてるはずだから――」
 言いながら坂巻さんは手馴れた様子でPCにコマンドを入力する。
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