願わくは、雨にくちづけ
「伊鈴とふたりで生きていきたいんだ。俺が、お前に望むことは、ただひとつ」
「……なんですか?」
「俺に一生愛される覚悟だけしてくれたらいい。……だから、安心してついてきてください」
ありったけの熱意が込められた言葉に、伊鈴は頬を濡らす。
(煌さんがここまで想ってくれてるのに、どうして決められなかったんだろう)
「こんな私でよければ、どうぞよろしくお願いします」
「伊鈴……」
涙ながらに、ようやく決意した伊鈴を、立花はきつく抱きしめた。
「幸せにするから」
彼が決めた人生に少しでも力になれたなら、それがいい。
まっすぐで温もりのある立花のプロポーズに、伊鈴は覚悟を決めた。
「私も、煌さんを幸せにできるように頑張ります」