願わくは、雨にくちづけ

「いつもそういう格好でいるの?」
「えっ? そう、ですけど……」

 初めて伊鈴の部屋に来たのは、交際して間もなくのことだった。

(そういえば、あの夜も似たような格好で眠ってたな……)

 てっきり自分がいるからだと思っていただけに、約1年もの間が悔やまれる。
 どんな格好で寛ごうと彼女の勝手なのだが、どうにかしたいのだ。


「変ですか? 似合ってないとか……」

 伊鈴は眉尻を下げて問いかけた。

「いや、すごく似合ってる。かわいい」

 ふわりと微笑み、立花の顔をじっと見つめる伊鈴は、褒めてくれた割に目を合わせてくれないので不思議がる。

(本当にそう思ってくれてるのかなぁ)

 顔を合わせれば、惚れこんでいる愛する彼女の微笑みがあり、俯けば白い腿。

(似合いすぎてて困ってるんだ、こっちは)

 どこにも視線を合わせられなくなった立花は、ソファの背に大きくもたれて天井を仰いだ。

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