願わくは、雨にくちづけ

 ――出会った日の翌日に、立花がサプライズで買ってくれた服を纏う。

 アイスグレーのノースリーブとネイビーのチュールスカートを着て、華奢なヒールを履き、ロイヤルブルーのストールを羽織って家を出た。
 外を歩くことがあればと、黒いレザージャケットも持ってきた。

 腕に掛けた小ぶりなラベンダーカラーのバッグも、プレゼントされたもの。
 デートで買い物に出ると、似合いそうなものは率先して試着させられ、似合えば即決で買ってしまうので、いささか彼の尽くし具合に驚かされ続けてはいる。
 そして、それらをコーディネートして会うと、目尻を下げてとても嬉しそうに微笑んでくれるのだ。

 いつだったか、「もうプレゼントはしなくていい」と言ったことがあった。
 しかし、立花から返ってきた答えは、伊鈴の予想を裏切るものだった。

 ――「プレゼントじゃなくて、伊鈴への愛の印だよ。いらないなんて、そんな冷たいこと言わないで」

 ここまで愛情深く、1年も大切にしてくれた彼のすることなら、なんでも許せてしまう気がしている。

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