願わくは、雨にくちづけ
「軽くドライブして、ランチに行こう。朝ごはんは食べたの?」
「シリアルだけ。ドキドキして、昨日の夜もあまり食べられなかったんです」
素直に伊鈴が打ち明けると、立花はまたしても彼女の唇を奪う。
少しすると、隙間から彼の舌が滑るように入ってきた。
見慣れないスーツ姿のせいで、妙にドキドキする。
大きな手で耳を塞がれ、頭の中に鳴り響くキスの音で、伊鈴もいつしか夢中で応えていた。
「っ、はぁ……」
涙目で頬を火照らせる伊鈴は、時間など関係なく妖艶になる立花を見つめる。
「ごめん。俺も、お前に会いたかったから、今すごくドキドキしてて、抑えられなかった」
「煌さん……」
「今日もかわいいよ、伊鈴。最高の誕生日デートにするから、楽しみにしてて」
ふわりと微笑んだ立花は、眼鏡をかけてからゆっくりと車を出した。