願わくは、雨にくちづけ

「ここなら、絶対に気に入るものがあるはずだから、見るだけ見てみよう」

 立花の説得に折れて、背中に手を添えた彼のエスコートで店内に入った。


 ショーケースに、ダイヤモンドを施したジュエリーが並んでいる。マネキンは普段使いではなさそうなハイジュエリーで飾られ、店員も楚々としていて、いかにも高級店といった雰囲気だ。
 とりあえず、立花が店員に頼み、次から次へと試着する商品を出してもらっている。
 ペアウォッチや指輪、ネックレスにアンクレット、デスク周りの文房具にいたるまで揃っていて、見ているだけで満足してしまいそうだ。


「このペンとか、実用的でいいんじゃない?」
「……2万円もするペン、使えません」

(高価すぎて、仕事に集中できないもん)


「そう? じゃあどれがいいかなぁ」

 金額を見ても全く動じない立花の横顔は、プレゼントされる伊鈴以上に楽しそうだ。

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