願わくは、雨にくちづけ

 獲物を捕らえた豹のような鋭いまなざしに射抜かれ、伊鈴は背筋を震わせる。


「煌さん、もうダメっ……」
「わかった。終わりにするから」

 しかし、〝終わりにする〟と言ったのに、立花の欲は果てを知らず、容赦がない。
 甘くもがくように喘ぐ彼女を、彼は凄艶な笑みで見下ろし、何度目かに満足したのだった。


 ――本能のままに行為に耽ったのち、息を整えてベッドに横たわった。

 皺だらけになったシーツは、愛し合った跡がところどころで色を変えている。
 当然、伊鈴はこんなにひと晩で求められたことはなく、途中で快感を止める術を失い、立花の好きなように愛されてしまった。


「ごめんね、伊鈴」
「……もう無理ですからっ」

 ぷくっと頬を膨らませて、背を向ける伊鈴の背中を立花はそっと抱く。


「わかってる。今日はもうしないから」
「本当に?」
「本当。もう満足だよ」

 満足と囁かれて恥ずかしくなった伊鈴は、目元まで布団を引き上げて隠した。

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