守りたい ただあなただけを
「・・!?
何か用か!?」
女が俺に気付くやいなや、
殺気を向けてきた。
「・・水筒は返して欲しい。
俺の大事な物だ。」
「・・・・すまない・・。」
「気にするな。
そっちの人は大丈夫なのか?」
水筒を飲み終わった後も、もう1人の人物はグッタリとしている様子だった。
「・・・・・・・・。」
「・・お前達、ひょっとしてバスは初めてか?」
「・・・そうだ。
砂漠を歩き続け、
ようやくこの街へと辿り着いた。」
「水も持たずにか?」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・恐らく、
そっちのお連れさんは“熱中症”だろう。
砂漠地帯に初めて来る人がもれなくかかる病だ。」
「・・・どうすれば良い・・?」
「安心しろ、ひとまずこの場所は陽が注ぐから余計に悪化させる。
俺の家まで案内するよ。」