守りたい ただあなただけを


「・・!?
何か用か!?」


女が俺に気付くやいなや、
殺気を向けてきた。


「・・水筒は返して欲しい。
俺の大事な物だ。」


「・・・・すまない・・。」


「気にするな。
そっちの人は大丈夫なのか?」


水筒を飲み終わった後も、もう1人の人物はグッタリとしている様子だった。



「・・・・・・・・。」


「・・お前達、ひょっとしてバスは初めてか?」


「・・・そうだ。
砂漠を歩き続け、
ようやくこの街へと辿り着いた。」


「水も持たずにか?」


「・・・・・・・・・・。」


「・・・恐らく、
そっちのお連れさんは“熱中症”だろう。

砂漠地帯に初めて来る人がもれなくかかる病だ。」


「・・・どうすれば良い・・?」


「安心しろ、ひとまずこの場所は陽が注ぐから余計に悪化させる。

俺の家まで案内するよ。」


< 196 / 431 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop