守りたい ただあなただけを
――――――
「うまいだろ?」
「ええ、とても。バスにはこんな美味しいパンがあるのですね。」
「小麦粉に岩塩が混ざってて、
これにはイースト菌が入ってない。」
人目に付かない建物の陰に隠れてイズミと腹ごしらえをしていると、
辺りの様子を警戒していたエイダが戻ってきた。
「ここまでは順調に来られたか・・。
リューマ、そなたのおかげだ。」
「まだ安心するな。
夕暮れ時になったらここに馬車が来る。
気を緩めて良いのはそれに乗り込んでからだ。」
「ああ。」