蒼い月と紅の灯火
「何いってるんですか」
「蒼兎のとこにいきたい?」
「もちろん」
ここまで断言されると嬉しいけど悲しい。
本当に蒼兎に一途なんだから、この子は。
でも、それだけ真っ直ぐなら……。
「諦めつかねぇよー!」
「え!?」
「こっちの話ー!」
「え、あ、はい」
「んじゃ、行こうか」
「え……?」
「蒼兎のとこ、行くんでしょ?」
「はい!」
誰にも負けないような、輝かしい笑顔で言う。
それについついキュンとしてしまう。
(好きだから、仕方ないよね)