蒼い月と紅の灯火

目の前に広がる光景に息を飲んだ。




また、あの日と同じように火があがっている。
耳をつんざく悲鳴。




「そんな……蒼兎は!?」




「あー、見っけたわ」




「分かりました! 朔夜は、他の人をよろしく!」




「途端に人使いが荒くないかな!?」




喚く朔夜をよそに屋根の上を跳んで駆ける。
交戦している蒼兎を見たから。




必死に守るように戦っている。
どうして、そこまであなたは。




「蒼兎ー!」




「朱里!?」




加勢したところで力になれるか分からない。
術は覚えてるけど実戦に使ったことはない。




「縛!」




一気に人間たちを縛り上げていく。
それを見た蒼兎はため息。




「あの二人の血が流れてるんだもんね、そりゃ僕より強いわけだよ」




噂によると両親は妖狐で最強と言われている。
そんなの私には関係ないけど。




「他の人は?」




「まだ奥に里の長がいる」




「行こう!」




二人で並んで走る。

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