エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「娘から電話があって、飛んできたんだよ。いつまで経ってもきみが迎えに来ないからおかしいと思って他の参加者に連絡したら、あろうことか別の女を連れてパーティーに出席しているというじゃないか」
そう話しているのは、スーツ姿の五十代男性。一誠さんより背は低いものの、すらりとした体形のダンディな姿は、見覚えがあるどころじゃない。本来パーティーに出席するはずだった、青柳社長そのひとだ。
彼はここまで急いでやってきたかのように、ハンカチで額の汗を拭いながら、一誠さんを怖い顔で見つめている。
そういえば……確か一誠さん、“本当は別の女性を連れて行けと言われている”って電話で話していた。その女性って、まさか……。
「そんなに驚くようなことですか? 僕が百合さんとすでに婚約解消したことは、社長もご存知でしょう」
一誠さんが飄々とした様子で話した内容に、私はどくんと鼓動が跳ねるのを感じた。
ずっと気になっていた“百合”という名が誰のものか、こんな形で知ることになるとは思わなかった。
百合さんは、青柳社長の娘……。そして、一誠さんの婚約者だった……。
次々明かされる事実が衝撃的すぎて、頭が混乱する。