エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
「それはそうだが、まだ内輪の者しか知らないことだろう。世間体というものもあるのだから、今日のところは百合を連れて行くべきだったんだ。それに、百合はきみとやり直したいと言っているんだぞ?」
「世間体? やり直す? 先に僕を裏切ったのは百合さんの方だということをお忘れですか?」
相手は自分の勤める会社のトップだというのに、一誠さんの口調は冷酷だった。
それにしても裏切った、なんて……いったい、二人の間に何があったんだろう。
詳しいことはわからないけれど、一誠さんが私と奇妙な恋人関係を演じている理由や、ときどき見せる私への過度な独占欲は、百合さんのことがきっと関係している――そんな気がした。
「……まぁ、あの子が軽はずみな行動をしたのは私からも謝る。しかし、相手の男とは別れさせた。今、百合に男の影はない」
「そんなことは関係ありません。第一、僕にはもう新しい恋人がいるんですよ。だから、パーティーにも連れてきた。……巴、そろそろ出ておいで」
一誠さんに呼ばれて、ぎくりと肩を震わせた。
ここにいること、ばれてたんだ……。この話の流れで、しかも社長がいる前に出て行くなんて、生きた心地がしないんだけど……。