エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
結局、トイレの外で部長が待っているという状況のせいで、例のシミュレーションの件を深く考えることなんてできず、ただ用を足しただけ。
ドアを開けたら帰り支度を済ませた部長が立っていて、またしても私のバッグを人質にしていた。
「私のバッグ……」
「大丈夫。ちゃんと返しますから。……明日の朝にでも」
ぼそりと付け足された後半部分を、酔っ払いの私は特に気に留めることもなかった。
まぁ返してくれるなら何でもいいや。そんなことより景色が回る。ああ、ここはどこ私はだれ……。
酔っ払いどころかもはや記憶喪失ぎみの私だけど、お金のことだけはちょっと気にかかる。
「お会計は?」
「もう終わってます」
「えっ。またですか……。すみません」
またお金を払ってもらってしまった……。もういいや。きっと奢るのが趣味なんだこの人。
思考も足取りもぐでんぐでんの状態の私は、再び部長の肩に支えられながら外に出た。
そしてあれよあれよという間にタクシーに乗せられ、見知らぬマンションへと連れて行かれた。