エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~
外観も、内装もあまり記憶になく、彼の部屋が何階だったのかも覚えていない。
覚えているのはそう、ふらふらと廊下を進んで、重い鎧を脱ぐように、服を脱ぎ捨てて。倒れ込んだ寝室のベッドの上で、部長と裸で抱き合ったことだけ。
私はそのときどうしてか、彼に抱かれながら涙を流していたんだ――。
「さびしい……」
「うん」
酔った勢いの行為なのに、部長は優しくて、紳士的で。なんだかそれが物足りなかった。
「さびしい、から、もっと」
おねだりして、絡めた指に、ぎゅっと力を入れる。
「……いいですよ。思い切り、乱れて、泣いて」
私のリクエストにこたえるように、時折はげしくされては、甘い吐息を耳に吹き込まれ。
「まだ、遠慮がありますね。……大丈夫、全部、見せていいから、巴」
会話にしても指づかいにしても、部長はすべてにおいてテクニシャンだった。
私は体をひらくだけでなく心までも裸にされる感覚に陥って、またしても過去の恋愛を悔やんだ言葉を、彼にぶつけてしまう。
「すき……って。すきって。ほんとは、もっと、言いたかった、のに」
部長はそう言って泣く私をの目元を、優しく撫でては、そこにキスをした。