エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~

「いやー、二十七にもなって、不毛な恋愛をすることになるとは思わなかったよ」
「えっ。露子、彼氏できたの?」

私は彼女の話題に、即座に食いついた。

露子はモテるのに、特定の人と長く続かせるのが苦手。基本的に恋人を作らない主義で、いろんな男性と広く浅く遊んでいる。

そんな彼女が、物思いにふけった様子でテーブルに頬杖を突いている姿は、初めて見た。

これは、珍しく本気の恋に落ちちゃた感じ……? 

一瞬、成田くんの顔が脳裏をよぎったけれど、彼が否定していたからそれはないか。

「ちゃんとした彼氏だったら“不毛”じゃないでしょうよ」

「えっ。じゃぁまさか、不倫とか……」

「そこまで馬鹿なことはしません。……まぁ、よくある“好きな人には好きな人がいる”ってやつよ」

露子が悩まし気にこぼし、ため息をつく。

そっか……。露子が片思いしている相手には、彼女以外に想い人がいるってことか。

私も十代の頃とかは一途にそういう片思いもできたものだけど、大人になってからは、傷つきそうな恋って自然に選ばなくなるもんなぁ……。

< 38 / 188 >

この作品をシェア

pagetop