エリート部長の甘すぎる独占欲~偽装恋愛のはずでしたが!?~

「お腹がすきましたね。一緒に朝ご飯でも作りましょうか」

この人はまったく……。夜の色っぽい表情と、朝や昼間の毒気のない表情のギャップ、どうにかしてください。

胸がかき乱されるようなドキドキと、ほんのり胸が熱を持つような、優しい心の揺れに交互に襲われて、シミュレーションどころじゃなくなる……。

そんなことを思いつつも、私もお腹は空いている。腹が減っては戦もできない。

「ですね。何かあったかな……パンと卵とソーセージくらい?」

クローゼットから適当なTシャツとショートパンツを出して身に着け、冷蔵庫を開けた。背後では、部長も昨日脱いだシャツとスラックスを身に着けている。

そんな彼の姿から冷蔵庫に視線を戻し、野菜室を物色する。……あ、トマトとレタスもあるし、なんとかなりそう。

流しで手を洗って、さっそくまな板の上で野菜を切ろうとしたけれど、隣に立つ人物がじっと見つめてくるせいで、なんだか集中できない。

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