私、いじめたアイツをオトしてみせます。〜イジワル男子攻略法〜
私は誰もいない薄暗い保健室で、キョロキョロと辺りの床を見渡して、ジャージの入った収納ボックスを探していたんだけど……。
ゴンッ!!
「うっ!も、もう、平坂くんどうしたの立ち止まって」
保健室のソファの前で立ち止まった彼の背中に鼻を強打してしまった。地味に痛い。
180センチ近くも身長がある人の後ろにいると、その先の光景が全然見えなくなるから困っちゃう。
一点を見つめたまま動く気配のない彼を不思議に思い、私は腰からひょっこりと顔を出して彼の目線の先をチェックした。
あっ……。
そのソファには、まるで猫のように体を丸めてすやすやと眠る1人の生徒が。
長いまつ毛が閉ざされた瞼からくりんと天に向かって伸びていて、スースーと静かな寝息を立てて眠るその姿はまさしく天使そのもの。
……男だけど。しかもクラスメイトだけど。しかも……。
「おい、何でお前がこんなところで寝てんだ。郁……」
それを前に、怪訝に顔を歪めた隣の平坂くんが、ため息混じりに呟いた。
「え?平坂くん、大槻くんと知り合い?」
「知り合いも何も、コイツとは小学校から一緒の仲だよ。つか、もはや腐れ縁だな。ったく、いつでもどこでも隙ありゃ寝やがって……」
「え……。小学生の頃、から……?」
それって……、
つまり、私とも同じ小学校だったということ!?
だから、初対面の気がしなかったの?
「ん……。あれ、そこにいるのって、恭?」
そこで、今までソファで眠りについていた大槻くんがようやく目を覚ました。