さようなら、初めまして。
ジンさんが呼んだのよね。
あ、お風呂。急がなくちゃ。

「あ、ごめんなさい。ジンさん、早くお風呂、入ってください。シャワー使ってください。早くこっちに…」

慌てて浴室に行き、浴槽にお湯を勢いよく出した。

「水量が多くて、こうして溜めながらでもシャワー、強いんですよ。どうぞ。バスタオルは手前の棚にあります。小さいかも知れないけど、私の大きめの服を着ててください、直ぐ持ってきますから」

私は一枚バスタオルを取り、頭を拭き、肩から覆うように掛けた。

「いや、俺は後でもいい。アイちゃんも濡れてるから、アイちゃん、先に…」

あ、ジンさんの声、ジンさん。…まあ、そうよね。それに、アイちゃん…だ。

「私は大したこと無いです、ジンさんが先に」

ピー…。

「あ、勢いよく出したから、小さい浴槽だから、もう溜まったみたいです、早く。どうぞ。…どうぞ」

後ろに回って背中を押した。

「お」

「気にせずどうぞ」

押し込むようにしてすりガラスのドアを閉めた。

「あ…ごめん、じゃあ、先に……。直ぐ出るから」

「遠慮しないでください、私は取り敢えず着替えますから、ゆっくりどうぞ、フフ」

…はぁ、今になって思えば、誘ってしまったけど、もしかしたら、ジンさんは、ジンさんの家の方が近かったのかも知れない、解らないけど。大きなお世話だったかな。

「あのー?嫌かも知れませんが、脱いだ服、洗濯して乾かしますね。それから…良かったらこれを着ててください、乾くまで」

…。

シャワーのお湯の音で聞こえないのかも知れない。

「もう入ってますよね?…ちょっと、手前に、サッと入ってサッと出ますね?」

んー大丈夫よね。開けて、脱いである服を一纏めに取って着替えの服を置いた。
…はぁ、一人だと困らないけど、…人が入るとなると…少々難があるのよね。…返事も待たず出入りしたけど。

「ゆっくり入って、よく温めてください」

…?んん。やっぱり聞こえないのかな。まあ、いいか。

さて。待ってる間に。
洗濯機をまわし、取り敢えず先に、滴の落ちている髪をガシガシ拭いて、服を着替えた。
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