さようなら、初めまして。
私も、この人の前ではまだいい人にはなり切れないのかも知れない。どうしても色んな事が浮かんでしまう。…想像も、すればキリがない程してしまう。…それも想像したくないことばかり。…はぁ。
「私は…聞いてるかもしれないけど、貴女が悠人とぶつかった日は、待ち合わせをしていた日で、結果として悠人と会えずに最後になった日でした」
「…はい」
嫌みな言い方に聞こえたかも知れない。解ってる事を敢えて解らせるみたいに言ったととったかも知れない。
悠人から聞いてるのね。まあ、それが発端といえば、発端。ぶつかって、それが二人にとっては運命的な出会いとなる訳だから、まず、話すのはそこからよね。
「待っても待っても来なかった…。段々不安になって」
「…」
「でも何も…しなかったんです。自分にできる事、何も…。手を尽くさなかったんです。来ない理由は解らない…。どんな形でも終わりなんだって……割り切れない気持ちでも、諦めてしまった…」
「でも、それは、悠人の事、何も知らなかったから、出来なかったんじゃないですか?連絡先だって知らなかったんですよね……あ、…ごめんなさい、私…」
……。
「…それでも、そんな中でも、できる事はあったと思うの。でも、このお店に事付けることくらいしか、しなかった」
まさか、事故に遭って、忽然と消えてるなんて…思わなかった。会えなくなるなんて。思いもしなかった。
むしろ、それ以上の酷い事を想定して、私は、悠人を消して…諦めて、忘れようとしていた。……自分を擁護したんだ。
解らないからできる事が無い、無力だと決めつけて、そんな自分を庇ったんだ。
そして…忘れようとしてもやっぱり中々そうは出来なかった。好きだったからよ。好きなままで突然消えたからよ。
「…好き。…好きだった。凄く…堪らなく好きだった。…あの頃、それだけしかなかった。気になる事…。聞いてると思うけど、私とは何もなかったから。結婚の約束をしてたとか、そんな事もないから。安心して?
何もないって言っても、手は繋いだ。ごめんね…、キスもした。でも、……それだけ。それ以上は…私も悠人も、知らない。……まだ、知らないままだから。
ただ好きだっただけ。
ごめんね。こんな話まで、しなくてもいい、どうでもいい話だとは思うけど、やっぱり気になるでしょ?関係があったのか無かったのかの部分。そこは聞き辛いだろうし」
……もし、関係があったと言ったら、やっぱり嫉妬は芽生えるだろう。昔の事だとしてもだ。
「…」
意地悪なのかな、私。こんな事、好き好きって、聞きたくもないでしょうに。はぁ…まるで嫌がらせしてるみたい。
話してる内に…あの頃の好きで堪らない気持ちが甦って。自分の思いの抑えが利かなくなったのかも知れない。…はぁ、…このくらいは許して?
「ごめんなさい、私、意地悪よね、今更」
「…いいえ、当然だと思います」
…当然。……。意思悪はして当然だと言うの。
「私は…聞いてるかもしれないけど、貴女が悠人とぶつかった日は、待ち合わせをしていた日で、結果として悠人と会えずに最後になった日でした」
「…はい」
嫌みな言い方に聞こえたかも知れない。解ってる事を敢えて解らせるみたいに言ったととったかも知れない。
悠人から聞いてるのね。まあ、それが発端といえば、発端。ぶつかって、それが二人にとっては運命的な出会いとなる訳だから、まず、話すのはそこからよね。
「待っても待っても来なかった…。段々不安になって」
「…」
「でも何も…しなかったんです。自分にできる事、何も…。手を尽くさなかったんです。来ない理由は解らない…。どんな形でも終わりなんだって……割り切れない気持ちでも、諦めてしまった…」
「でも、それは、悠人の事、何も知らなかったから、出来なかったんじゃないですか?連絡先だって知らなかったんですよね……あ、…ごめんなさい、私…」
……。
「…それでも、そんな中でも、できる事はあったと思うの。でも、このお店に事付けることくらいしか、しなかった」
まさか、事故に遭って、忽然と消えてるなんて…思わなかった。会えなくなるなんて。思いもしなかった。
むしろ、それ以上の酷い事を想定して、私は、悠人を消して…諦めて、忘れようとしていた。……自分を擁護したんだ。
解らないからできる事が無い、無力だと決めつけて、そんな自分を庇ったんだ。
そして…忘れようとしてもやっぱり中々そうは出来なかった。好きだったからよ。好きなままで突然消えたからよ。
「…好き。…好きだった。凄く…堪らなく好きだった。…あの頃、それだけしかなかった。気になる事…。聞いてると思うけど、私とは何もなかったから。結婚の約束をしてたとか、そんな事もないから。安心して?
何もないって言っても、手は繋いだ。ごめんね…、キスもした。でも、……それだけ。それ以上は…私も悠人も、知らない。……まだ、知らないままだから。
ただ好きだっただけ。
ごめんね。こんな話まで、しなくてもいい、どうでもいい話だとは思うけど、やっぱり気になるでしょ?関係があったのか無かったのかの部分。そこは聞き辛いだろうし」
……もし、関係があったと言ったら、やっぱり嫉妬は芽生えるだろう。昔の事だとしてもだ。
「…」
意地悪なのかな、私。こんな事、好き好きって、聞きたくもないでしょうに。はぁ…まるで嫌がらせしてるみたい。
話してる内に…あの頃の好きで堪らない気持ちが甦って。自分の思いの抑えが利かなくなったのかも知れない。…はぁ、…このくらいは許して?
「ごめんなさい、私、意地悪よね、今更」
「…いいえ、当然だと思います」
…当然。……。意思悪はして当然だと言うの。