さようなら、初めまして。
「もう、話すの止めませんか？」
「え？」
「何もかも運命…。こうなる運命だった。そう思う事でいいんじゃないかなと、そう考える事にします。そうしませんか？貴女に取っても運命だった。それでいいと思います」
「でも、…それでは」
…。
「では…、こんなの許さない、と言って欲しいのですか？」
「え」
「元の気持ちのままの悠人を返してって、貴女と何の関係もない、悠人を返してって、罵ればいい？」
「あ…」
「…記憶のないのをいい事に、不安な心に入り込んで、何も教えず隠して、貴方には私が居るから大丈夫…、傍で付きっきりで、かいがいしく世話をして……貴方には私しか居ないのって思わせて……この人を捜してる、好きな人が居るかもしれないって思ってるのに、……欲しいままに盗った…。必然とそうなるように。…悠人を私に返して、としつこく何度も言ったらいいのですか？…嫌がらせをしたらいい？付き纏ったらいい？酷い言葉でずっと罵ったら、それで貴女の気は済むの？
…大きな声を出して、最低だって、…喚き散らしたらいい？」
「あ…ぁ…」
「…ごめんなさい…どうにもできないでしょ？今更。何もかも…今更なんです、もう遅いんです。……別の人を好きになってる…離れた心はもう戻らないでしょ？
…貴女と衝突したその直ぐ後に知っていたら…今と状況は違っていたかも知れない。記憶は無くしていても、私が傍に居たら…。今、一緒に居るのは私だったと思う。多分。……でも、それは解らない…、タラレバなんです。それには関係なく、別れていたかも知れない。…二人の二人でいられなかった時間だから、結果どうこうより、悔しいんです。きっと、まだ楽しくしてたってどうしても思うから。
過ぎたモノにタラレバは、もう、無いんです、…もう無理なんです。そうでしょ？
…一緒に居て、自然に惹かれ合った…。それが、記憶の無い悠人だったからといっても、それが、その時の悠人だったんです。
……もう、忘れてください私の存在は。ハプニングが二人の出会いだったと、それでいいと思います。凄く……劇的じゃないですか…そういうの。…ドラマチック…。
……短い間の、つき合いだったんです。貴女と悠人のこれからに比べたら、…ううん、今まで居た貴女と悠人の時間よりも短い、そんな……一瞬の期間だったんです。
今からの事を大切に考えてください。もう、貴女に会うことはありません。…会いたくありません。勿論、悠人、…悠人さんにも会いません。
さっきの言葉、傷付けるような事を沢山、敢えて言ったけど、そんな気はないから。私、何一つ、連絡先は何も知りませんから、今日だって何も聞いてないから、ご心配なく、ですね。
もうこんな風に謝ったりしないでください。私に気を遣ってくれるつもりならそうしてください。
では、遅くなりましたね。気をつけて帰ってください。あ、迎えに来てもらったら？その方が安全だもの。そうしてください。
大丈夫、私、先に出ますから」
「あ」
伝票を手に立ち上がった。
「ごめんなさい、…ごめんなさい」
もう、いいのに、…はぁ。止めて欲しい。
「悠人、さんにも言ったんですけど、……私、今、彼が居るんです。だから、ね、もう、いいんですよ？」
「あ………ごめんなさい。…有り難う、ございます」
んー…有り難うって、……バレたかな。はぁ。この人にも、彼が居るって見栄をはっても、誤魔化しきれてないのかな。どんだけ嘘が下手なんだろう。まあ、完全な彼って、思いがまだそうないからかも知れないから。仕方ないよね…はぁ。
「余計なお世話…先の事は解らないけど…、ずっと仲良くしてね？」
はぁ。本当、余計な言葉だ。これは…、嫌味なプレッシャーに取ってしまうだろうか。そうではなく、本当に、心からそう思って言ったんだけど。そうは取ってくれないよね。
返事は難しいかも知れない。
「…ごめんなさい…有り難うございます、……ごめんなさい」
頭を深々と下げられてしまった。…はぁ。…言わなきゃ良かった。やっぱり嫌味に思うよね。どんどん嫌な人間になってしまいそう。
【アキちゃん、もう…嫌だよ。私、最低】
「え？」
「何もかも運命…。こうなる運命だった。そう思う事でいいんじゃないかなと、そう考える事にします。そうしませんか？貴女に取っても運命だった。それでいいと思います」
「でも、…それでは」
…。
「では…、こんなの許さない、と言って欲しいのですか？」
「え」
「元の気持ちのままの悠人を返してって、貴女と何の関係もない、悠人を返してって、罵ればいい？」
「あ…」
「…記憶のないのをいい事に、不安な心に入り込んで、何も教えず隠して、貴方には私が居るから大丈夫…、傍で付きっきりで、かいがいしく世話をして……貴方には私しか居ないのって思わせて……この人を捜してる、好きな人が居るかもしれないって思ってるのに、……欲しいままに盗った…。必然とそうなるように。…悠人を私に返して、としつこく何度も言ったらいいのですか？…嫌がらせをしたらいい？付き纏ったらいい？酷い言葉でずっと罵ったら、それで貴女の気は済むの？
…大きな声を出して、最低だって、…喚き散らしたらいい？」
「あ…ぁ…」
「…ごめんなさい…どうにもできないでしょ？今更。何もかも…今更なんです、もう遅いんです。……別の人を好きになってる…離れた心はもう戻らないでしょ？
…貴女と衝突したその直ぐ後に知っていたら…今と状況は違っていたかも知れない。記憶は無くしていても、私が傍に居たら…。今、一緒に居るのは私だったと思う。多分。……でも、それは解らない…、タラレバなんです。それには関係なく、別れていたかも知れない。…二人の二人でいられなかった時間だから、結果どうこうより、悔しいんです。きっと、まだ楽しくしてたってどうしても思うから。
過ぎたモノにタラレバは、もう、無いんです、…もう無理なんです。そうでしょ？
…一緒に居て、自然に惹かれ合った…。それが、記憶の無い悠人だったからといっても、それが、その時の悠人だったんです。
……もう、忘れてください私の存在は。ハプニングが二人の出会いだったと、それでいいと思います。凄く……劇的じゃないですか…そういうの。…ドラマチック…。
……短い間の、つき合いだったんです。貴女と悠人のこれからに比べたら、…ううん、今まで居た貴女と悠人の時間よりも短い、そんな……一瞬の期間だったんです。
今からの事を大切に考えてください。もう、貴女に会うことはありません。…会いたくありません。勿論、悠人、…悠人さんにも会いません。
さっきの言葉、傷付けるような事を沢山、敢えて言ったけど、そんな気はないから。私、何一つ、連絡先は何も知りませんから、今日だって何も聞いてないから、ご心配なく、ですね。
もうこんな風に謝ったりしないでください。私に気を遣ってくれるつもりならそうしてください。
では、遅くなりましたね。気をつけて帰ってください。あ、迎えに来てもらったら？その方が安全だもの。そうしてください。
大丈夫、私、先に出ますから」
「あ」
伝票を手に立ち上がった。
「ごめんなさい、…ごめんなさい」
もう、いいのに、…はぁ。止めて欲しい。
「悠人、さんにも言ったんですけど、……私、今、彼が居るんです。だから、ね、もう、いいんですよ？」
「あ………ごめんなさい。…有り難う、ございます」
んー…有り難うって、……バレたかな。はぁ。この人にも、彼が居るって見栄をはっても、誤魔化しきれてないのかな。どんだけ嘘が下手なんだろう。まあ、完全な彼って、思いがまだそうないからかも知れないから。仕方ないよね…はぁ。
「余計なお世話…先の事は解らないけど…、ずっと仲良くしてね？」
はぁ。本当、余計な言葉だ。これは…、嫌味なプレッシャーに取ってしまうだろうか。そうではなく、本当に、心からそう思って言ったんだけど。そうは取ってくれないよね。
返事は難しいかも知れない。
「…ごめんなさい…有り難うございます、……ごめんなさい」
頭を深々と下げられてしまった。…はぁ。…言わなきゃ良かった。やっぱり嫌味に思うよね。どんどん嫌な人間になってしまいそう。
【アキちゃん、もう…嫌だよ。私、最低】
