死にたがりティーンエイジを忘れない
血に深い意味はない。
壊れたものを描いたことにも。
上田はそう言ったけれど、本当だったんだろうか。
上田も小学校のころにはいじめられていたと、菅野がこぼすのを聞いたことがある。
菅野自身も、いじめなのか、いじりなのか、きわどい扱いを受けることが多い。
だから二人とも、ちょっと独特の雰囲気がにじみ出ている。
特に上田だ。
あの人はときどき、わたしと同じものを同じ視点から見ている。
不意に智絵が言った。
「好きって気持ち、忘れちゃった」
「え?」
「好きな人、好きなキャラ、好きな小説、好きなこと。もう何もわからない日のほうが多いの。忘れちゃうほうが楽」
わたしは言葉を失った。
智絵はわたしと目を合わせてくれなかった。
わたしは、視界が真っ暗になっていくみたいだった。
どうしてこんなことになってしまうんだ。
好きな小説が同じで、目指す方向が似ていて、だからわたしと智絵は友達になったのに。
智絵から好きなものを奪った世界が、学校という世界が、わたしは憎くてたまらない。