死にたがりティーンエイジを忘れない


そんな日々の中で、ケリーとブレットから手紙が来た。

分厚い封筒の中には、夏の思い出の写真、ケリーたち家族の写真、ミネソタのポストカードが同封されていた。


ブレットの手紙はドラゴンボールのカードの裏に、アッサリと短く書かれていた。

ケリーの手紙はピンク色の封筒の中に入れられて、しっかりと糊付けされていた。


「ほかの誰にも見せないでね」


封筒の表にはそう書かれていた。

わたしは封筒の端をハサミで切って、丸っこい癖字の手紙を取り出した。


こっちはみんな元気だよ、でもサファイアがいなくて寂しいよ。

手紙の冒頭はそんなふうだった。

それから、家族の近況報告。

続いて、飛び跳ねるような字でケリーのビッグニュースが書かれていた。


「彼氏ができたの! この間、デートをしたの! 実はあたし、最初は彼のことはあまり好きじゃなかったけど、一緒にいるうちに好きになったんだ」


微笑ましいようなラブストーリーだった。

私は文面を目で追って少し笑って、最後の一文に固まってしまった。


「サファイア、竜也をどう思う? 竜也はきっとあなたのことが好きよ」


まさか、そんなことあるわけない。

竜也はいい子だよ。

そんなやつがわたしを?


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