死にたがりティーンエイジを忘れない


わたしは恋なんか無縁でいい。

彼氏なんて一生いらない。


キスをすることもハグをすることも、体を汚すことのような気がしていた。

そんなものを欲しくなかった。

わたしにはたぶん、恋より大事なものがある。


ピンク色の封筒の中には、手紙のほかにもう一つ、タロットのような体裁の天使のイラストのカードが入っていた。

幸せの恋人のためのカード、というタイトルが添えられている。


ケリーが知っているサファイアと、日本でくすぶっている本物のわたしの間には、大きな隔たりがあるのかもしれない。

幸せなんて程遠いんだよと、わたしは正直に言うべきなんだろうか。


クリスマスの時期には郵便が混み合って、手紙や荷物の到着が遅れるらしい。

少し早いけれどクリスマスカート送ろうと、わたしは決めた。

街に買い物に行かなくちゃ。


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