死にたがりティーンエイジを忘れない
何週間か前、進路指導の学年集会で今年も勉強合宿が開催されると正式に公表されたとき、集会の後に鹿島先生がわたしは職員室に呼んだ。
「今年、どうする?」
「行きません」
「よし、逃げろ。ただし、条件は去年と同じだ。合宿が始まるよりも早く、課題をすべて終わらせて提出すること。受験生の今年は、課題の量が去年の比ではないぞ」
「わかってます」
「まあ、そのあたりは心配していない。私も、できることなら逃げたい」
「でしょうね」
「自分が受験生のときは、もっと強制力が強くてな。合宿開始よりずっと早く課題を提出したのに、追加の課題を出されて連行された」
「行ったんですか」
「大量の本を持ち込んで、さっさと課題を終わらせて、あとは好き勝手にした。悪友たちと共謀して爆竹も持ち込んで、大音量で騒ぎを起こしてやった。
が、私は成績がよかったからな。悪友たちはみんなつかまって吊るし上げられたが、私は最後まで疑われもしなかった」
とんでもないことを平然と言ってのけた鹿島先生は、どうリアクションしていいかわからないわたしの前で、クスクスと楽しそうに笑った。
普段はニヤっと皮肉っぽい笑みを浮かべるだけの人だから、笑い声は珍しかった。