死にたがりティーンエイジを忘れない
日が暮れるまで自習室で勉強する。
最終下校時刻のチャイムが鳴って、そのころにようやく学校から帰る。
あたりが薄暗くなってからでないと、長い距離を歩けない。
日に当たれば、極端に疲れてしまう。
その日、下宿に戻って、カバンに入れっぱなしだったケータイを取り出してみると、知らない番号からの着信があった。
録音時間が短い留守電機能に、メッセージが一つ。
〈久しぶりです。竜也です。蒼さん、忙しいですよね。おれ、今年もミネソタに行きます。ブレットたちの家に。
それで、出発の前に、蒼さんのところに会いに行きたいなと思ってて。
ブレットたちに手紙とか書きませんか? おれ、預かっていくんで、それで、そのことを話したく……〉
ちょっと照れたような口調のメッセージは、そんな中途半端なあたりで切れていた。
わたしは、気付いたら肩の力が抜けていた。
「そうだよね。わたしが存在してもいい世界は、あっちにあるんだから」
少しだけ笑って、わたしは竜也に電話をかけ返した。