死にたがりティーンエイジを忘れない
小さなテーブルに向かい合って座ると、竜也はいつも笑っている顔を、少し曇らせた。
「やっぱり、蒼さん、ずいぶんやせたでしょ」
わたしは笑ったかもしれない。
「たぶんね」
「受験勉強、大変なんですか? あ、そういえば、ご両親とも別々に住んでるんですよね」
「勉強はそれなりに必死。全然、合格圏内じゃないから。でも、やれるところまでやるよ。でね、親がいないから、気が済むまでやれてる感じ。真夜中までやってても、大叔母は先に寝るから」
「体、壊さないでくださいね。ちょっと顔色も悪いみたいだし、心配です」
「平気。きみのほうは? 何か変わったこととかあった?」
竜也は、顔中をくしゃくしゃにするような、無防備でお人好しそうな笑い方をした。
「あと一歩でインターハイだったってのが、結局、最近でいちばんのニュースですね。手紙でも書きましたけど」
弓道着姿で部活仲間と一緒にふざけながら写った写真が、その手紙には同封されていた。
「惜しかったんだってね」
「決勝、一点差でした。おれ、高校総体のころはかなり調子がよくて、的中率が過去最高で、エースのポジションだったんですけどね。
まあ、負けて夏に試合がなくなったから、ミネソタに行けるんです。そう思えば、結果オーライかなって」
「部活、けっこう長く休むことになるんだよね」
「うちの学校は、そのあたりは割と緩いんですよ」
「うらやましい」
「善し悪しじゃないかな。あまりにも先生からほったらかしにされてるなって感じるときもありますよ。サボり癖がついて、もとに戻れなくなったやつとかいて」