死にたがりティーンエイジを忘れない


竜也が声を上げて笑った。


「あーもう、おれも英会話教室に通ってけっこう練習したのに、蒼さんのほうがちゃんとできてる。まあ、蒼さん、文系だしな。さすがっすね」

「受験生だもん。勉強してるの」

「よし、じゃあ、ほんとにそろそろ行きます。今日、ありがとうございました」

「うん。それじゃ」


わたしたちは笑顔で手を振った。


竜也の後ろ姿が見えなくなって、わたしは手を下ろした。

笑っていた顔が、ため息ひとつで、重苦しいしかめっ面に戻るのを自覚した。


夏の終わりまでに、もう少し、やせられるかな。


相変わらず、竜也は細く引き締まった筋肉質な体つきだった。

うらやましいなんて言うのは、きっと筋違いだ。

わたしが引きこもって何もしなかった間、竜也はまじめに部活で体を鍛えていたのだから。


やせなきゃ。


竜也と話している間は楽しくて、わたしは年上だからカッコよくありたいと背筋を伸ばしていたのに、一人になった途端、いつものわたしだ。

劣等感と焦燥感に絞め殺されそうになる。


駅を出る。

日はまだ沈んでいない。

わたしは日陰を選んで歩いた。

汗が流れる。

体に溜め込んだ脂肪も、こんなふうに簡単に流れて消えてしまえばいいのに。


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