死にたがりティーンエイジを忘れない
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生まれてきて今までで特別に運がよかった日をいくつか選ぶなら、
センター試験の数学があった日と響告大での本番で国語の試験があった日がワンツートップだ。
数学は、どうやったってここから先は理解できない、というラインが自分でわかっていた。
ラインよりも先は投げ出すんじゃなくて、数字ごと全部、模範解答を丸暗記した。
その丸暗記した問題が、センター試験で出た。
わたしが覚えたぶんは何の過去問だったんだろう?
とにかくその三角関数の問題が、円に内接した四角形の各辺の数字までそっくりそのまま、センター試験で出題された。
わたしは計算せず、覚えていた答えを解答用紙にマークした。信じられなかった。
でも、覚えたとおりの式に矛盾はないし、解答欄の桁数も余らない。
これでいけるはずだ。
そうやってわたしが時間と点数を稼いだ数学のテストは、例年になく厄介な問題ぞろいで、平均点がガクンと低くなったらしい。
相対的にわたしの順位は上がった。
響告大の判定で、初めて、Bという高い評価が出た。
願書を出す大学を本決めするための面談で、鹿島先生がニヤリとして言った。
「数学で丸暗記か。とんでもない話だが、おまえ、何か持ってるな。流れが来ていると信じろ。いけるぞ」