死にたがりティーンエイジを忘れない
「すみません。あんまり、連絡とか、メールって……ケータイは、家族との連絡用のつもりだから……」
笹山は、それでも、にこにこと笑ってみせている。
「迷惑?」
「……ごめんなさい。今は」
「そう。じゃあまた、大学生活に慣れて、考え方が変わったときにでも。ボクは、このくらいでは引き下がらないよ」
冗談っぽく軽やかな口調だった。
わたしは頭を下げて、そのまま視線をそらした。
急に思い立った。
今日はホームセンターに寄って帰ろう。
わたしの新しい部屋には一つ足りないものがある。
体重計だ。
数字を気にするのはきついからと、今まで買わずにきたけれど、それじゃダメだ。
自分を甘やかしてはいけない。
体重計を買わないと。
もっとやせないと。
中学や高校のころとは違うんだ。
大学での毎日は、勉強することで壁を作れるような環境ではない。
わたしは見られている。
人の視線をかわす方法がないのだから、もっとやせて、見られて大丈夫な自分にならないと。
笹山の視線を背中に感じ続けていた。
胸がざわざわした。
ドキドキではなくて。
あせりと寒気を伴う、ざわざわだった。