死にたがりティーンエイジを忘れない


食べてはいけないのに食べてしまった、という罪悪感。

さらに罪を重ねるような気持ちで、わたしは口の中に指を突っ込んだ。

ぬるっとした喉に指先で触れると、あっけなく、胃の中のものが逆流してきた。


べたべたになったパンの残骸が、異臭を放ちながらわたしの口から吐き出される。

胃と食道と喉が急激に収縮して、のたうつようにびくびく暴れて、猛烈に苦しかった。

自然と涙が出た。


でも、もっと吐きたかった。

これくらいじゃ、なまやさしい。

もっともっと、胃の中が完全に空っぽになるまで吐きたい。


喉に突っ込んだ指を動かすと、胃がけいれんしながら暴れて、苦い消化液が上がってきた。

それも吐く。

勢いづいたように、異様な味の液を吐くのが止まらなくなる。

涙まみれのメガネを、かろうじて汚れていない左手で外す。


胃酸で喉が焼けて、じりじりした。

利き手は指先から肘のあたりまで、もうべたべただ。

手の甲の中指の付け根は、いつの間にか皮膚が破れて血をにじませている。

歯で傷付けたんだろう。


何かが気管に入って、激しい咳が出た。

ユニットバスの狭いトイレで、わたしはうずくまって咳き込んだ。


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