死にたがりティーンエイジを忘れない


汚い。

自分の吐いたものにまみれて、苦しくて涙が止まらない。

うっかり引っ掻いて傷になった頬やあごのニキビに、胃液や涙がしみて痛い。


けれど、達成感があった。

消化液が出てくるまで吐けたのだから、今、胃の中は確実に空っぽだ。

これで少しは体重が軽くなった。

いらだちとあせりの原因が体内から消え去ってくれた。


よかった。

まだ、取り戻せる。

増えたぶんの三キロくらい、すぐ落とせるはずだ。大丈夫。


「大丈夫。苦しいくらいでちょうどいいんだ。食べてしまったことの罰なんだし」


自分に言い聞かせる。

頭の中心が、ぼぅっと熱を持っているみたいだった。

胃のけいれんと激しい咳が落ち着いていくにつれて、心地よさが満ちてくる。

陶酔感。

キモチイイ。


中学時代、保健室で摂食障害の本を読んだことを思い出した。

拒食症によって死に至ったカレン・カーペンターや、現代のティーンエイジャーたちの症例。

食べて、それが消化されないうちに吐く、という型があること。


できるだけ食べないようにしよう。

それでも食べてしまって、罪悪感に押しつぶされそうなときは、吐けばいい。


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