死にたがりティーンエイジを忘れない
豆乳ときなこヨーグルトに、わたしは縛られた。
摂取しなければならない、という義務感。
朝から必ずそれを口にしておかないと、落ち着かなかった。
後から振り返って考えると、特定の食品だけにかたよった食事が体にいいはずもない。
体重は落ちるかもしれない。
でも、それはただの栄養失調。
やつれているだけだ。
飢餓状態なんて、美容にとってマイナスでしかない。
いや、豆乳ときなこヨーグルトだけなら、そこまで健康被害はなかっただろう。
わたしの体をやせにくくて不健康な性質に変えてしまったのは、当時ひどく流行していた「水飲みダイエット」と「にがり水ダイエット」だ。
一日に三リットルくらいの水を飲みなさい、という記述をあちこちで見掛けた。
体にたまった老廃物を水で流し去らなければならないから、と。
その水は、にがり水であれば効果が高い、という風潮でもあった。
にがりは海水から作られるもので、主な成分は塩化マグネシウム。
もともとは、豆腐を固めるときに使われる液体で、直接、人が飲んだり食べたりするためのものではない。