死にたがりティーンエイジを忘れない
竜也は元気だ。受験勉強で疲れている様子もない。
〈ミネソタから戻ったら、向こうのお土産を持って、蒼さんのところに届けに行きます。ちょうど響告大のオープンキャンパスもあるんで、新幹線とホテルがパックになった旅行ツアー、もう予約済みなんです〉
「あ、来るんだ?」
〈行きます。あの、蒼さん、時間がもしあったらでいいんで、ちょっと会ってもらえませんか?〉
笹山の存在感がわたしにのしかかってきた。
でも、バレなければいい、と思った。
「いいよ。時間、作れるから」
〈やった、ありがとうございます! 具体的な時間とか、また連絡しますね。見返せるし、電話よりメールのほうがいいかな〉
「そうだね。バイトは夜だから、わたしは割と動けると思う」
〈了解しました。じゃあ、また〉
「うん」