死にたがりティーンエイジを忘れない


.:*゚:.。:. ☆.。.:*・゜


「髪、伸ばしてるんですか? あと、またやせましたよね」


会ってすぐ、竜也はそう言った。


「伸ばして結ぶほうが涼しいから」

「そっか。なるほど」

「でも、そんなやせてないよ」

「そうですか? まあ、おれにとっての蒼さんの印象って、最初に会った二年前のイメージだから」

「太りすぎてたころの、だよね。忘れてほしい」


竜也は首をかしげながら笑った。


「太ってましたっけ? そういう感じの見方はしてないんで、わかんねえや」

「でも、やせたら気付くじゃん」

「だって、心配になるタイプの細さですもん。折れそうっていうか、倒れそうっていうか。元気ないように見えるんですけど、夏バテとかしてません?」


体はとてもだるかった。

冷房の効いた場所に行くと、すぐに手足が冷たくなる。

といって、冷房なしでは、盆地だから湿気のたまりやすい響告市の蒸し暑さに耐えられない。

どこにいても何をしても体がきつい。

体力がどんどん削られていくのがわかる。


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