死にたがりティーンエイジを忘れない
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「髪、伸ばしてるんですか? あと、またやせましたよね」
会ってすぐ、竜也はそう言った。
「伸ばして結ぶほうが涼しいから」
「そっか。なるほど」
「でも、そんなやせてないよ」
「そうですか? まあ、おれにとっての蒼さんの印象って、最初に会った二年前のイメージだから」
「太りすぎてたころの、だよね。忘れてほしい」
竜也は首をかしげながら笑った。
「太ってましたっけ? そういう感じの見方はしてないんで、わかんねえや」
「でも、やせたら気付くじゃん」
「だって、心配になるタイプの細さですもん。折れそうっていうか、倒れそうっていうか。元気ないように見えるんですけど、夏バテとかしてません?」
体はとてもだるかった。
冷房の効いた場所に行くと、すぐに手足が冷たくなる。
といって、冷房なしでは、盆地だから湿気のたまりやすい響告市の蒸し暑さに耐えられない。
どこにいても何をしても体がきつい。
体力がどんどん削られていくのがわかる。