死にたがりティーンエイジを忘れない


ある日、衝動的に、買い置きの薬を全部飲んだ。

睡眠導入剤と鎮痛剤と風邪薬と酔い止め薬をあるだけ全部、一気に。


どうなるのか試してみたかった。

しばらくは何ともなかった。

腕にカミソリで赤い線を引いてみたりして、何かが起こるのを待った。


三十分くらい経ったころから、だんだん体に力が入らなくなっていった。

頭がボーッとして、呼吸が鈍くなっていく。

まぶたが重く、体の芯がぐにゃぐにゃになった。

座っていられなくなって、わたしは冷たい床に倒れた。


眠い。

このまま眠れば、それっきりになるのかな。


怖いとか、そういうのはなかった。

それを感じたり考えたりするにはもう、頭が鈍くなりすぎていた。


わたしは眠った。

どれくらい眠ったのかわからないけれど、吐き気が、わたしの意識を覚醒させた。

自分で吐くときとは比べ物にならないくらいの、猛烈な吐き気。

胃が裏返って暴れ出したかのような、どうしようもない気持ち悪さ。


起き上がろうにも、体は脱力したままだった。

無理やりトイレに這っていって、舌が痺れるほど苦い薬の残骸を、胃の中の消化液と一緒に吐いた。

喉が焼ける感触。

吐いても吐いても、気持ち悪さは収まらなくて、ひたすら苦しかった。


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