死にたがりティーンエイジを忘れない
わたしは、気付いたら部屋にいて、ネットで調べていた。
二〇〇四年三月リリース。
BUMP OF CHICKEN『アルエ』。
すでにリリースされていたアルバム『FLAME VEIN』からのシングルカット。
彼らの通算七枚目のシングル。
BUMP OF CHICKENの曲を片っ端から聴いた。
素裸の心をさらして歌う痛みが、わたしの胸に突き刺さった。
そうだったのか。
「彼」のほうこそ、生きる意味を探して苦しんでいる。
孤独の形を知ろうとして、音と言葉を求めている。
だから、心の包帯をほどいて血の赤さを目撃したいと望むんだ。
その赤色が、自分の心の流す赤色を同じであるかどうか、見てみたいから。
彼らの唄を聴きながら、わたしは、悲しいわけではなかった。
何を感じているのか、わけがわからなかった。
でも、わたしは声を上げて泣いた。
わたしも言葉を綴りたいのに。
唄を歌いたいのに。
物語を描きたいのに。
誰かの心と共鳴したいのに。
どうしてわたしは、自分で掘った暗い穴の底に落ちていくような、こんな毎日を送っているんだろう?
みじめだった。
でも、わたしはBUMPを聴き続けた。
聴いている間は、過食や自傷の衝動は起こらなかった。
彼らはわたしにとって、ようやく出会った小さな救いだった。